「結論から話しているのに、なぜか相手にうまく伝わらない。どうしたら伝わるようになるのかな。」
こういった疑問にお答えします。
本記事の内容
- 結論から話しても伝わらない理由
- 結論より前に伝えるべきこと
突然ですが、あなたは誰かに伝えたいことがある時、いきなり結論から話し始めていませんか?
実は、相手と前提をそろえず話し始めてしまうことが原因です。
伝えたいことについて、相手の理解度や知識が不足している場合、相手が話についてこれなくなったり、話が噛み合わなくなったりするからです。
本記事の信頼性
私は、若手社員の人材育成を3年間担当し、コミュニケーションに関する悩み解決をサポートしてきました。
また自己スキルアップのため、コミュニケーション関連の書籍を年間30冊ほど読んでいます。
結論ファーストが大切なのは間違いありません。
ですが、相手がスムーズに理解していくためには、話し手である自分と聴き手である相手との間に「前提」が共有されていなければなりません。
この記事では、相手の頭を整理しながら伝えるためのテクニックとして、相手と前提をそろえる方法を解説します。
この記事を読むと、理解度や知識レベル全く違う相手でも、自分の話したいことをスムーズに説明できるようになります。
先に結論を書いておくと、
- 前提となる情報
- 相手の理解度と説明レベル
- 話の範囲
上記3つを共有できれば、相手と前提をそろえることができます。
結論から話しても伝わらない理由
まず、結論から話してもなぜ伝わらないか解説していきます。
自分と相手で足並みがそろっていない
実は、相手と前提をそろえず話し始めてしまうことが原因です。
伝えたいことについて、相手の理解度や知識が不足している場合、相手が話についてこれなくなったり、話が噛み合わなくなったりするからです。
具体的には、以下のようなシチュエーションが該当します。
・相手が話の背景や経緯を理解していない
・別の役職や他の業界の人に説明する
・話す時間を決めていない
自分だけが知っている話や、全く専門知識のない相手に話す時は、きちんと相手が理解できるよう前提情報を共有してから話し始めましょう。
結論より前に伝えるべきこと
それでは、相手と前提をそろえるポイントを解説していきます。
そろえるべきポイントは以下3点。
①:前提となる情報
②:相手の理解度と説明のレベル
③:話の範囲
ひとつずつみていきましょう。
①:前提となる情報
相手の理解度や知識が不足している場合は、前提情報として話の背景や経緯を伝えましょう。
いきなり具体的に話されても、何について話しているのか分からず、あなたの話のペースに相手がついてこれません。
例えば、
常日頃、顔を突き合わせている会社の同僚や上司に、日常的な業務の説明や話をする場合、前提は特に必要ありません。
ですが、
十数年ぶりに会った友人に、「今やってる仕事は何?」と聞かれた場合は、もともと共有できている情報が少ないため、同僚や上司に反すように説明してもうまく伝わりません。
相手の知らないことを伝えるときや、過去に話したことはあるけれどその内容を覚えていなさそうな場合は、結論よりも先に前提情報の共有を行いましょう。
例えば、
自分の顧客に関する話を初めて上司に伝える場面
→前提情報として、過去の経緯や取引履歴を簡単に話す
他にも、報告する数字の定義(前年比なのか前月比なのか)、表やグラフの見方(項目の配置、色の意味)などの、知っておかないと話が噛み合わない情報は、最初に説明しておく必要があります。
なお、相手が知っているかもしれない情報については、くどくならない様に注意しながら言及するようにしましょう。
事前に一言伝えるだけでもOK
常日頃、顔を突き合わせている会社の同僚や上司に説明する際は、何について話をするか最初に一言添えるだけで、ぐっと話を理解してもらいやすくなります。
理由としては、着地点を把握した上で話を聞いてもらえるので、話す内容のポイントを汲み取ってもらいやすくなるからです。
例えば、上司に報告する場面。
「〇〇プロジェクトの進捗遅れについて、リカバリーのご相談をしたいのですが、今お時間よろしいですか?」
と一言伝えるだけで、上司は「リカバリーについてアドバイスする必要があるな!」と認識して、しっかり話を聞いてくれるようになります。
結論の前に前提情報を伝えてワンクッションを入れることで、相手が聞く姿勢を作る時間を作ってあげられるメリットもあります。
②:相手の理解度と説明のレベル
相手の知識レベルに応じて、説明のレベルをそろえましょう。
頭のいい人は、難しい言い回しや表現でも理解してくれます。
また同じ業界の人であれば、頭の良し悪しに関係なく、業界の専門用語を使ってもスムーズに話が通じます。
しかし、他の業界の人や、初めてミーティングに参加する人に何かを説明する場合、言葉の難易度や専門性をそろえて話す必要があります。
おすすめするレベル感は、小・中学生に説明するぐらいのつもりで話すこと。
相手を小学生や中学生のレベルだと考えて扱うわけではなく、あくまでも、相手が理解していない分野について分かりやすく伝える上でのレベル設定です。
例えば、システム障害の状況を、ITに詳しくない営業部門の上司に説明する場合。
❌:Webサーバが停止して、httpからのレスポンスを受けれられず、WebAppサーバに情報連携できない。
⭕️:商品の購入画面が固まって、お客様が買い物かごに入れた商品が購入できない。
どれだけ歳の離れた上司であっても、知らない分野のことについては、年齢や頭の良さに関係なく、小学生や中学生と同じように「わからない」ことなのです。
③:話の範囲
今回はどこまで話すかを伝え、相手と話の範囲をそろえましょう。
説明する時間は、仕事の多くの場面で限られています。
たとえ社内会議であっても、自分の話だけで1時間も時間を取ることはできません。
そのため、限られた時間の中で、最適な情報量で伝えるためには、その説明の範囲を決めることが大切です。
例えば、
「あなたが知りたい内容のうち、今日はこの部分だけをお話しします」
とあらかじめ話すことで、相手の期待値を調整できます。
最初に話の範囲を決めて共有しておくと、あらゆる場面で有用です。
・打ち合わせの時間が短すぎて、とてもすべては説明しきれない
・取り扱う情報が多すぎるので、絞って説明したい
・目の前で対応せねばならない課題だけに時間を使いたい
まとめ:結論を話す前に「前提・レベル・範囲」をそろえよう
今回は、結論より先に伝えるべきポイント3選を紹介しました。
ポイントは以下3つ。
1. 前提となる情報をそろえる
2. 相手の理解度と説明のレベルをそろえる
3. 話の範囲をそろえる
伝えたいことの前提をそろえた上で、相手に説明するようにしましょう。
相手に説明する前に、いつも私が確認しているチェックリストを公開しますので、よかったら参考にしてみてください。
チェックリスト
- 前提となる情報の共有ができているか、何の情報が不足しているか
- どのくらいの知識レベルか、伝わらない専門用語を使ってないか
- 今回はどこまで話すか、伝えるか(目的とゴールの共有)
一番伝わる説明の順番