「論理的に分かりやすく話をしてるつもりなのに、相手が一生懸命話を聞いてくれない。どうしたらしっかり聞いてくれるか教えてください。」
こういった疑問にお答えします。
本記事の内容
・なぜ話し上手は聞き上手と言われるのか?
・聞き上手が得られるメリット4つ
・聞き上手になるテクニック8選
突然ですが、「論理的にわかりやすく説明しているのに、相手がしっかり理解してくれない」と感じたことはありませんか?
実は、あなたが「聞き上手」になれば、相手が一生懸命話を聞いてくれるようになります。
なぜなら、普段から相手の話をしっかり聞くことで、相手は自己重要感を満たしてくれるあなたへの信頼感や安心感が高まり、自分の話を聞いてもらいやすくなるからです。
本記事の信頼性
私は、若手社員の人材育成を3年間担当し、コミュニケーションに関する悩み解決をサポートしてきました。
また自己スキルアップのため、コミュニケーション関連の書籍を年間30冊ほど読んでいます。
本記事では、相手と信頼関係を築くために聞き上手になる方法について解説します。
この記事を読むと、相手との信頼関係が築けるので、自分の話を真剣に聞いてもらいやすくなります。
結論は、聞き上手になるには「傾聴力を高める」ことが重要です。
なお、話し方のスキルを高めたい方は、【言いたいことが伝わらない人必見】説明上手になる方法を徹底解説 の記事をぜひご覧ください。
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参考【話し方のコツがよく分かる!】説明上手になる方法を徹底解説
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なぜ話し上手は聞き上手と言われるのか?
相手に明確に説明を伝えるためのポイント2つ
まず、相手に明確に説明を伝えるためのポイントは主に2つあります。
①:話し手のスキル
②:聞き手のスタンス
①:話し手のスキルについては、説明そのものが分かりやすければ、当然話も伝わりやすくなるので感覚的にイメージできると思います。
ここでは、②:聞き手のスタンスについて、少し詳しく解説していきます。
「聞き手のスタンス」で話の伝わりやすさが変わる
「説明」というと、話し手側にスポットが当たりがちです。
しかし、聞き手のスタンスによって説明の伝わりやすさに大きな差が出ます。
どんなに説明力が高い人でも、聞く気がない人に分かってもらうことはできませんよね。
例えば、以下3名に説明するとします。
Aさん:一生懸命理解しようとしている
Bさん:どうでもいいと思っている
Cさん:あら探しをしている
Aさん~Cさんのどの人に伝えるのが、一番簡単だと思いますか?
答えはもちろんAさんで、多少説明が下手でも、Aさんに説明するのは比較的簡単です。
一方、Cさんにどれだけ説明しても自分の説明を理解してもらうことは難しいでしょう。
伝えるとはコミュニーケーション。
コミュニケーションには必ず相手が存在するため、一生懸命話を聞いてもらえるよう、普段から聞き手と信頼関係を作っておくことが重要なのです。
「聞き上手」になれば、相手と信頼関係を築ける
人には「他者から承認されたい」という「承認欲求」があります(マズローの欲求階層説)。
人は外敵から身を守るため、太古より集団生活をしながら生き延びてきました。
そのため、自分のことが認知されない存在を脅かされたように感じます。
逆に、承認欲求が満たされると本人は心が癒されたり、自信がついたりするので、承認してくれた相手に対して親近感や安心感を抱くようになります。
相手の話をしっかり聞くことで、自己重要感を満たしてくれる人への信頼感や安心感が高まり、自分の話を聞いてもらいやすくなる のです。
聞き上手が得られるメリット4つ
聞き上手になると、自分が話す際にさまざまなメリットがあります。
具体的には以下4つ。
・相手からの信頼を得られる
・自分の知識や見解が深まる
・相手のビジネスニーズが把握できる
・あまり話さなくても話し上手だと思われる
ひとつずつ見ていきましょう。
メリット①:相手からの信頼を得られる
これは前述した通り、相手の話をしっかり聞くことで相手からの信頼を得られるようになります。
結果として、聞き手のスタンスがよくなり、一生懸命あなたの話を聞いてくれるようになります。
メリット②:自分の知識や見解が深まる
自分の知識や見解が深まります。
相手から新しい情報を得ることで、自分が話す際の話のレパートリーが増えます。
逆に「自分ばっかりが話して、人の話を聞かない人」は、新しい情報がなにも入ってきません。
「自分と意見が合わない人と話すことを苦痛に感じる人」「自分と興味の分野が合わない人の話を退屈だと感じる人」は多いでしょう。
しかし、そんな時ほど、「自分の見識を深めるチャンス!」だと思ってみてください。
話を聞く際の意識を変えるだけで、「あれはそうゆう捉え方もあるんだな」「今まで興味なかったけど案外面白そうかも」など、発見や学びがどんどん増えていくでしょう。
メリット③:相手のビジネスニーズが把握できる
相手の知りたいこと、興味のあることがわかっていれば、相手中心に相手と会話できるようになります。
自分の言いたいことを、どれだけたくさん伝えても、相手の心に響くとは限りません。
そもそも、人は相手の話の80%は聞いていないので、いかに相手の興味があることを伝られるかが重要となります。
例えば、上司へ業務報告する場面。
相手(上司)の知りたいこと:
・期待した成果が出そうかどうか
・もし成果が出ないとしたら、どういう対策を行う必要があるのか
・その対策において、上司自身はどういう支援をするべきなのか
などが明確になっているべきです。
若手社員の場合、自分が経験したことのない上司や先輩社員の立場で考えるのは難しいです。
そんな時こそ、普段から上司が話すことをしっかり聞いておくと、上司が何を求めているかポイントが掴めるようになってきます。
メリット④:あまり話さなくても話し上手だと思われる
聞くこともコミュニケーションなので、聞き方が上手い=話が上手と思われます。
明石家さんまさんといえば、「話し手のプロ」というイメージが強いのではないでしょうか?
ですが、実際にはほとんど自分の話をしていません。実は「話を聞くプロ」なのです。
「さんま御殿」や「さんまのまんま」などのテレビ番組を想像してみてください。
さんまさん自身は、ほとんど自分の話をしてないですよね。
ゲストの話を聞いて、しっかり話を盛り上げることを徹底しています。
聞き方がうまいと、自然と話し上手と思われるようになるのです。
聞き上手になるテクニック8選
それでは、実際にどうやったら聞き上手になれるか解説していきます。
聞き上手になるには、相手の気持ち(感情)を聞くこと が重要です。
話の内容を真剣に聞いてあげるだけでも相手は喜ぶのですが、さらに、気持ちまで聞いてもらうと、相手は「落ち着く」「安心する」「受け入れられた」という反応が起こります。
傾聴とは、「相手を少しでも理解しようと心を傾ける」こと。
傾聴力を高めるには、「アクティブリスニング」というコミュニケーション技法が有効です。
具体的なやり方は以下の通り。
・姿勢
・表情
・アイコンタクト
・うなずき
・メモをとる
ひとつずつ見ていきましょう。
テクニック①:姿勢
相手にヘソを向けて、前傾姿勢で話を聞くことを意識しましょう。
話を聞く上で、姿勢は相手にとって安心感を与えたり、逆に威圧感や疎外感を与える大きな要素になります。
相手に体を向けるということは、心をひらいて相手に意識を向けているという心理的ボディーアクションなのです。
腕組みやふんぞり返った聞き方をすると、相手に不快感を与えたり、相手のパフォーマンスを下げてしまうことになります。
無意識の中で「相手に舐められてはいけない」とか「早く終わらせてくれよ」という心理がある時は、特にこの姿勢になってしまいがち。
相手に体を向けて、相手に心をひらく意識をしましょう。
テクニック②:表情
相手の感情に表情を合わせましょう。
話し方で相手の速度に合わせて話をすることをページングといいますが、聞き方が上手な人は表情でページングをします。
話し手の表情に合わせ、笑顔や困った顔をすると、相手に理解されている安心感を与えることが可能です。
相手がつらいことや困ったことを話しているのに笑顔で聞くなど、相手の話と合わない表情をしてしまうと、「この人は私の気持ちをわかってくれていないな」と感じられるおそれがあります。
表情をページングするということはつまり、「私はあなたの気持ちがよくわかります」と表現しているということなのです。
話し手のことを理解していると伝わるよう、話し手の感情に合わせた表情を意識しましょう。
テクニック③:アイコンタクト
相手とは、なるべく目線を合わせるように意識しましょう。
目線を合わせることによって、心の距離が縮まったような感覚になり、話し手も話しやすくなります。
ただし、目線を合わせすぎてしまうことで緊張感が増す可能性もあるので注意しましょう。
アイコンタクトのコツは以下3点。
・凝視するのではなく、両目と鼻の頭を結んだ三角形の辺りを柔らかな目線で見る
・「ここは大切」というところでしっかりと視線を合わせる
・目線を反らす際は上や横に反らさず、自然と下に反らす
相手と目線を合わせようと必死になるのではなく、適度に目線を合わせることを意識しましょう。
テクニック④:うなずき
相手の話にしっかりうなずきましょう。
人は安心感をくれる人を好きになります。
うなずきは、漢字にすると「肯き」と書きます。うなずき=「私はあなたを肯定しています」と言う場合において使われるのです。
日本人は「話を聞く=黙ってノーアクションで聞く」ということが標準となっています。
ですが、会話の中でうなずいて話を聞いてくれる人がどれだけ安心感をくれたかを思い出すと、その威力は誰もが実感するはずです。
弱・中・強の3段階の深さでうなずきを使い分けるのが効果的です。
やり方は以下のとおり。
弱:首を固定したまま顎だけを軽く下に振る
中:頭ごと下に持っていく
強:首、頭を全て使って背中まで引っ張られるくらい深く振る
ふだんは弱、相手が感情を込めた時は中、自分自身も大きく納得した時は強でうなずきます。
一辺倒の深さのうなずきより、この強弱をうまく使い分けることで、相手の話にリズムがついていきます。
テクニック⑤:メモをとる
目上の人からさらに好印象を持たれるアクションがあります。
それが、「話を聞きながら、同時にメモをとる」ことです。
年や経験を重ねていくにつれ、年長者や経営者には、実は大きな欲求が芽生えてきます。
それは、「自分のやってきたことを次世代に伝えたい」というものです。
これを「自己複製欲求」といいます。簡単にいうと、年長は教えたい生き物なのです。
メモを取る時の注意点として、手帳やノートの代わりスマートフォンを使う場合は、「こちらにメモをされていただいていいですか?」と前もって、ひと言聞くようにしましょう。
「こいつ、人が話しているのに携帯をいじっているのか」と思われないためにも、この一言は大切です。
メモをとりながら話を聞く習慣をつけましょう。
まとめ:相手の立場になって、聞き手中心のコミュニケーションをしよう
今回は聞き方が上達するコツを紹介しました。
聞き上手になると、自分が話す際にさまざまなメリットがあります。
具体的には以下4つ。
・相手からの信頼を得られる
・自分の知識や見解が深まる
・相手のビジネスニーズが把握できる
・あまり話さなくても話し上手だと思われる
聞き上手になるには、傾聴力を高めることが大切です。
傾聴力を高めるには、「アクティブリスニング」というコミュニケーション技法が有効となります。
具体的なやり方は以下の通り。
・姿勢
・表情
・アイコンタクト
・うなずき
・メモをとる
人は聞き方が9割